食事と健康について考えるにあたって、なにかを積極的に摂る「足し算」の発想だけでなく、小麦や炭水化物を控えたり、少食・一日一食・断食(ファスティング)といった「引き算」の考え方も注目を集めている。実際、腹八分や腹六分、一日一食といった少食を公言している芸能人・文化人などに、「いつまでも若い」という人も多い印象を受ける。
芸能人で言うと、たとえば、30年以上の長寿番組だった『笑っていいとも』の生放送の司会業を、ほとんど休むことなく務め上げるなど、長年活躍しているタモリさんも、一日一食半の少食で知られている。お腹がちょっと空いているくらいのほうが調子がよく、「なるべく固形物が胃に入らない時間を長くしたほうがいい」と語っている。
他に、「腸活」を大事にしている俳優の窪塚洋介さんも、腸を大切にした食事内容で、だいたい一日一食半程度の食生活を送っていると過去にインタビューで話している。朝は野菜ジュースと自家製豆乳ヨーグルト。昼は好きなものを食べる。夜は根菜類や発酵食品、海藻類などを軽くつまむ。一日一食にしたい思いもありつつ、ストレスにならないようにバランスを保っているようだ。この食生活を始めてから、体は軽くなり、体調もよく、いいことだらけだという。
また、GACKTさん、高橋一生さん、藤原竜也さん、水谷豊さん、ビートたけしさんなど、一日一食の食生活で知られる有名人は決して少なくない。それから芸能人ではないものの、見た目がいつまでも老けないことでたびたび注目を受ける、漫画『ジョジョの奇妙な冒険』の作者・荒木飛呂彦さんも、野菜中心のほぼ一日一食という食生活だと言われている。あるいは、一日一食ではなくても、腹六分など「食べすぎない」ことを重視している人で言うと、お笑い芸人の明石家さんまさんもそうだ。
人生で“ああ、満腹や”って言ったことない。“お腹いっぱい、動けない”とか言ったことない。その前に止めんねん。
さんまさんは、満腹まで食べると、眠気や思考の鈍りで動きにくくなる、という理由から、少食を心がけているようだ。
作家の村上春樹さんも、食生活について、野菜と魚が中心で、主食は酵素玄米、量は腹七分にとどめると自著のなかで書いている。また、女性でも、女優の石田ゆり子さんが普段の食事において気遣っていることとして、「食べすぎないこと」「夜寝る前に食べないこと」などを挙げ、ここでも「量」を大事にしていることが窺える。食事への意識が高い藤原紀香さんも、朝は果物の発酵ジュースなど軽めで、固形物は夕食のみの一日一食や二食にすることがあるようだ。
腸内環境を整える活動、いわゆる腸活の一環として、「夜遅くは食べない」ということを挙げる声もあり、あるいは、「空腹の時間」というものが、体の修復や掃除に必要だという専門家の指摘もあるように、この「少食」という食生活を送っている芸能人や文化人に若々しい人が多いのも偶然ではないのかもしれない。
考えてみれば、体を動かし続けることで筋肉が疲労し、スマホやパソコンによる情報社会において脳疲労が問題化しているように、腸も、ずっと働きづめよりも、ちゃんと休息がないと疲弊していくことになるのもごく自然なことなのだろう。
