ネガティブ思考が癖になっている場合は、そもそもその根っこに「考えすぎ」があることも少なくないと思う。不安が思考へとうながし、考えれば考えるほど、想像はたいていネガティブな方向に進んでいってしまうものだ。
だから、必然的に、ネガティブ思考対策は思考過剰対策とつながってくる。そして、その一環として、瞑想や温泉など、のんびりすることによって頭を休ませるということも一つだし、逆にランニングや編み物など身体を使った作業に熱中することで、思考を使わない状況に半ば強制的に身を置くという方法もある。
お笑いコンビ・オードリーの若林さんが、ネガティブな自身の性格を踏まえ、エッセイ集のなかでおすすめしていたことが、まさに後者にも通じる面がある「没頭」だ。
温泉旅行のようなゆったりすることが、自身の考えすぎる性格とはそりが合わず、「ネガティブモンスター」が現れてくるのはどうやら暇なときだと悟った若林さんは、なにかに没頭することによって、ネガティブモンスターが暴れる余地を消そうという結論に至った。
ネガティブを潰すのはポジティブではない。没頭だ。
出典 : 『社会人大学人見知り学部卒業見込 完全版』
若林さんは、まず、自分が没頭できそうな、好きなものを「没頭ノート」にまとめた。その際、ギャンブルやお金がたくさんかかるものなど、続けることによって身を滅ぼしそうなものを除く。
若林さんが選んだ没頭の対象としては、たとえば、読書、トイレ掃除、アメフト観戦、乗馬、ジェンガなどを挙げる。作業に没頭することによって、外界から切り離され、思考の隙間(すなわちネガティブモンスターが入り込む余地)を埋める。この方法が大成功だったと若林さんは言う。
ある一つの悩み事に取り憑かれ、そのことばかり考えては落ち込んでしまう、という負のループに陥ってしまうときは、とにかく思考をいったん断ち切る必要があり、そのために没頭する。そして、考え事にさいなまれるなかで、何ヶ月でも、何年でも、好きなものに没頭していると、やがて気づいたときには、「あれ、そういえばあんまり考えてないな」というときが訪れる。そうなればしめたものだと、「没頭」の効用について若林さんは語っている。