スポーツ選手・表現者の食生活から学ぶ

実践者から学ぶために、それぞれの分野のトップで活躍するスポーツ選手・表現者の食生活に関する情報・名言をまとめた“ノート”です。

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ノルウェー代表のサッカー選手で、世界に名高いストライカーであるアーリング・ハーランド。彼はサプリメントやプロテインに頼らず、本物の食品ホールフードによって身体の管理を行なっている。特に自然の食材へのこだわりが強く、水道水は飲まずにろ過した水を飲み、加工食品も避ける。また、生乳や牛肉は地元の農場で牧草を食べて育った牛のものをわざわざ選ぶようにし、なかでもハツやレバーなど内臓肉を食べる。サーモンやサバなど魚料理も食事メニューに盛り込む。日々の食事や発言などからは、その量もさることながら、質も大事にしていることが窺える。

体のケアという点では、食事以外に、トレーナーによる入念なストレッチや、サウナと冷水浴を交互に繰り返す温冷交代浴も実践している。あるいは睡眠も非常に重視し、朝は体内時計を整えるためにも日の光を浴びに散歩に出かけ、夜になると睡眠を妨げるとされるブルーライトを避けるようにしている。ストイックなこの姿勢について、ハーランドは次のように語っている。「やらない理由がないよね? 自分の人生のため、そしてサッカーキャリアのためだ。できる限り、誰にでもできる簡単で小さなことを一つずつ最適化していくことに、何の不都合があるっていうんだい?」

代表作の漫画『ジョジョの奇妙な冒険』だけでなく、いつまでも「老けない」というその見た目にも注目が集まることの多い漫画家の荒木飛呂彦さん。食事は、しばしば少食と言われ、朝は自家製の生野菜ジュース、昼は野菜中心の食事、夜は食べないといったほぼ一日一食のスタイルが基本だという話もある。空腹の時間が若返りのスイッチになるという声はあり、「老けない」理由として少食の影響も大きいのかもしれない。

また食事だけにかぎらず、健康への気遣いとして、週休二日で完全に休む日を設ける、規則正しい生活を送り、睡眠時間をしっかりとる(昔のインタビュー本によれば、夜11時に就寝し、朝10時に起きるという)など「休むこと」も大切にし、ストレス管理なども気をつけているようだ。運動も日課で、朝の散歩や、ジムでのトレーニング、プールなどを習慣にしていると言われている。

特にどの習慣が、荒木さんの若さの秘訣に繋がっているかは定かではないが、食事と言い、睡眠と言い、ストレス管理と言い、通して見られる抑制的で健康的な生活スタイルが、長きに渡る第一線での活躍や若々しさの源になっているのかもしれない。

長きに渡って文学の世界で活躍を続ける小説家の村上春樹さんは、健康を重視している。村上さんの朝は早い。午前4時に起床し、執筆も午前中のうちに行う。もっと書けそうでも、無理はしない。昼からは、ランニングをしたり泳いだりと運動のほか、軽い昼寝、読書や音楽など趣味の時間を過ごし、夜は9時頃に眠りにつく。こういった生活のルーティンのなかで小説を執筆する。

走り始めたのは専業の小説家になった30代の頃で、心の闇に触れる小説家という職業柄からもエッセイなどで健康の重要性については繰り返し語り、「真に不健康なものを扱うためには、人はできるだけ健康でなくてはならない」というテーゼを大事にしている。

また、小説のなかでしばしば「食事」が重んじられているように、作家自身の日々の食生活もしっかりしている。食事の内容は野菜と魚が中心で、肉もときどきは食べる。主食は酵素玄米で、調味料は自然の素材のものを使う。量は腹七分ほどにとどめ、眠る3時間前からは食べない。酒は飲むものの、量は控えめだという。

芸人界のレジェンドで、いつまでも元気にフル稼働な明石家さんまさん。元気の源として考えられるのが、普段の食事。食事といっても内容以上に量についての意識が高く、少食を心がけている。腹八分、ときには六分ほどでやめるという。これまで満腹だと言ったことがないそうで、眠くなって思考が鈍り、動きにくくなるから、というのが、満腹まで食べない理由だと後輩芸人に語っている。

食生活でよく口にするものとしては、赤ワイン、発酵食品、いわしを挙げている。また、さんまさんは病気知らずの健康体で、そもそも病院には行かない、あるいは健康診断を受けないことでも知られる。さんまさんの病院に行かない、健康診断を受けない、という考え方については、医師の和田秀樹さんも以前YouTubeで取り上げ、決して悪いことではなく、「さんまさんはこれを続けてほしい」と指摘している(『ヒデキとモリヨのお悩み相談「明石家さんまさんの健康法」』)。

精神面においてポジティブさを維持する秘訣としては、自分自身に期待しない、ということを挙げている。自分を過大評価しない。過大評価するから、「自分はもっとできたはず」とそのギャップに落ち込んでしまうのであって、自分はこんなものだと思っていたら、自分にとっては今日できたことが全て、とあるがままを受け入れられる。さんまさんのイメージからすると、腹六分の食事だったり、過大評価しないというのは、ちょっと意外にも映る。しかし、この姿勢が、長年の活躍を生んでいるのかもしれない。

米国メジャーリーグでも活躍する世界的な野球選手の山本由伸選手。彼は筋力トレーニングを一切しないことで知られる。というのも、若い頃に出会った柔道整復師でトレーナーの矢田修さんの指導のもと、柔らかさのなかに強さを求め、自分の体をうまく使うということに重点を置いているからだ。筋トレをしない代わりに、やり投げの動作やブリッジなど、体の使い方に立ち返る運動を取り入れている。

食事の管理は、専属シェフの菊地慶祐さんが担っている。ある日の献立の一例として、玄米雑穀ごはん、吸い物、牛フィレのグリル、温野菜、ビーツのゆずサラダ、炙り鯛と鰹のたたき、茶碗蒸し、ヨーグルトといった組み立てが紹介されている。食材のなかでも好物は、疲労回復に効果があるとされるコラーゲンが豊富ななまこだという。

当初、マッサージなど身体のケアについては気遣っていたものの、それでも軽い肉離れなどもあり、そのなかで山本選手が改善しようと考えたのが、食事だった。食生活についてしっかり取り組むようになってからは、「疲労回復のスピードが速くなったと思えるようになったし、去年も一年間カラダに不安なく過ごすことができた。食事の大切さをすごく感じましたね。 やっぱり、カラダに直接入ってくるモノなので、今はトレーニングより大事だと思っています。」と、Tarzanでのインタビューで語っている。