スポーツ選手・表現者の食生活から学ぶ

実践者から学ぶために、それぞれの分野のトップで活躍するスポーツ選手・表現者の食生活に関する情報・名言をまとめた“ノート”です。

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SMAPの元メンバーで“キムタク”こと俳優・ 歌手の木村拓哉さんは、食生活においてこだわりが見られる。たとえば、長年習慣にしている食材に、酵素玄米と納豆がある。十年以上続けている食習慣で、酵素玄米を始めてからは、体調がよく、風邪なども引かなくなったと過去に語っている。自宅で食事をすることが多く、家では基本玄米のようだ。以前番組では、酵素玄米の作り方についても話している。「①ボウルに玄米3合と黒豆20g、小豆20gと水を入れて洗う。軽く混ぜ合わせ、6時間浸水。② 先の①を水で軽く洗ったあと炊飯器に入れ、3合の目盛りより気持ち多く水を入れる。③炊飯したら「保温」モードで2~3日放置。3日後くらいが食べ頃とのこと」(参照 : Sirbee)。

他に、調味料としては、白砂糖を使っていないことも公言している。白砂糖の代わりに、甘味ではオリゴ糖やはちみつ、アガベシロップを使っているようだ。木村さん自身が料理をするということもあり、無添加のものを愛用したり、IHではなくガスコンロを好むといった話もある。

また、食生活については妻の工藤静香さんの影響も大きいようだ。工藤さんはインタビューのなかで、子供の肌や健康のためにも、不必要なものが入っていることも多い市販のものではなく、手作り料理が増えていると語っている。美肌におすすめのものとして甘酒や酵素シロップを挙げ、冷蔵庫には手作りキムチと納豆が常備されるなど発酵食品を大事にしている。油も避けることはなく、ココナッツオイルや亜麻仁油、オリーブオイルなどの良質なオイルを使うようにしている。朝食に関しては、たとえバナナやヨーグルトといった軽いものでも必ず食べるようにしているようだ。

木村家の食事のルールにおいては、夜ご飯が相当早いという特徴もあり、夕食は15時だと言われている。仕事もあるだろうからいつもそうかはわからないが、「夜は早めに食べる」というのも美容法や健康法の一環と言えるかもしれない。

ちなみに、木村さんが実践する運動としては、丁寧なストレッチや、バランスボールを使ったトレーニング、自重の筋トレなどを二日に一回ほどのペースで行なっている。お風呂については、44℃という熱さに結構がっつりと入って汗をかくという入浴スタイルだという。

世界的なテニスプレイヤーで、小麦を抜いた食事法である「グルテンフリー」を取り入れ、成果を出したスポーツ選手としても知られるノバク・ジョコビッチ。食生活を変える2010年までは試合中に倒れることもあるなど、体調面の不安を抱えていた。しかし、セルビア人栄養士のチェトイェビッチと出会い、グルテンと乳製品の過敏症と言われる。

両親がピザ屋でもあったジョコビッチにとって抵抗感のある選択だったものの、ひとまず2週間だけ厳格なグルテンフリーの食生活に切り替えてみた。実際に体験した結果、体が軽くなり、朝の目覚めもよくなるなど、体調への効果や変化が見られたことから、ジョコビッチはグルテンフリー生活を本格的に取り入れていった。

パスタ、チーズ、パンを食事から取り除きたいと思う人はあまりいないだろう。家族がピザ屋を経営していたジョコビッチの場合はなおさらだ。しかし彼は2週間、厳格なグルテンフリーの食生活を実践した。その効果はてきめんだった。

睡眠の質が高まり、エネルギーにあふれ、体が軽く感じられた。2週間後、再びベーグルに舌鼓を打ったジョコビッチだったが、疲労と体調不良を感じた。これにより彼のグルテンフリー生活は本格化した。

出典 : 【アスリートの食生活を探る】ノバク・ジョコビッチ、人生とキャリアを変えたグルテンフリー生活|オリンピック

食事の改善によって、自身がもともと持っていた実力をいかんなく発揮できるようになったのか、翌年には、全豪・ウィンブルドン・全米を制し、世界ランキング1位になった。「突然、Xファクター(未知の要因)が現れ、食事が変わり、自分の体が本来のパフォーマンスを発揮できるようになった」とジョコビッチは語っている。グルテンフリー以外で、普段の食事としてジョコビッチが主に食べているものは、野菜、豆類、白身肉、魚、果物、ナッツ類、種実類、ひよこ豆、レンズ豆、ヘルシーなオイルだという。

食事のメニューとしては、まず朝は解毒のために、レモンを絞ったグラス一杯の温水を飲む。あるいは、スプーン二杯のはちみつを口にふくむとも言われている。その後は、ナッツや果物のボウルと、グリーンスムージー。加えて、ときには、グルテンフリーのパンかクラッカーにアボガドやマグロを挟んだものをおやつとして食べることもある。昼はサラダに、グルテンフリーのパスタ。夕食は、「アボカドと自家製ドレッシングのミックスサラダ、人参と生姜のスープ、鶏の丸ごとレモンロースト」などのメニューが例として報じられている。

ただ、肉に関しては、現在は基本的に食べていないのではないかとも言われ、ヴィーガンやベジタリアンだという声もあれば、あくまで植物性のものが中心というスタイルの「プラントベース」だとの指摘もある。

試合中に食べるものとしては、食後の血糖値上昇が低く、エネルギー補給として優れているドライフルーツの「デーツ」をジョコビッチは挙げている。

食事の内容だけでなく、食べ方も大事にし、食事中にテレビやメールを見ながらのいわゆる「ながら」では食べない。ちゃんと食に集中し、よく噛んで食べる。また、感謝して大切に食べるように、食前の祈りを欠かさないという。食材も、オーガニック食品など自然食を選ぶ。食事や健康における一つ一つの選択や態度を大切にしている。

瞑想、ヨガ、太極拳なども日課にしている。朝、20分ほどヨガや太極拳を行う。これは単に柔軟性というだけでなく、呼吸法なども意識しながら、心身のケアのために行なっているようだ。睡眠時間についてもしっかり確保し、一日7〜8時間を取っているという。

数々の作品に出演し、監督業も行っている俳優の斎藤工さんは、子供の頃から感性を重んじたシュタイナー教育の環境で育ち、食事もマクロビだったこともあり、自然や食へ興味を抱く土台はできていたようだ。

さらにコロナの時期を経て、菌やウイルスについて調べていくなかで発酵や腸内環境への意識が深まっていった。「発酵には時間が絶対に必要です。日本は年齢を重ねることをネガティブに捉えがちじゃないですか。時間という概念に追われ、焦るか否かは分かれ道だなと10代から思っていました。時間を重ねることは本当に良くないことなのか、疑問を抱き続けるなかで出合ったのが発酵でした。まさに理想のあり方で、食を改めて見直そうと思いました」と斎藤さんは語っている。斎藤さんが出演したNHKの『スイッチインタビュー』では、発酵の専門家である小倉ヒラクさんとも対談を行っている。

腸内環境を考えた食生活にしていった斎藤さんは、小麦食品などを抜いたグルテンフリーを取り入れたり、玄米など未精製の食品や、糠漬け、無塩の鯖缶、納豆、豆腐、自家製の味噌、果物とてんさい糖と酵母菌ジュースで作った自家製の酵素シロップなど、発酵食を中心とした食生活を送っている。「現場食」のときには一日一食の少食で、普段は、玄米食や、手前味噌でつくったきのこと野菜の味噌汁など、一日につき二食半くらいのようだ。

こういった腸を中心とした食生活によって、花粉症も改善し、加えて、メンタルなど内面の変化も実感したと語っている。ただし、常にストイックに食事を律しているわけではなく、現場では周囲に合わせることもあれば、二週間に一日はチートデイを設けるなど、無理のない範囲で実践しているようだ。

ドラマ『GTO』の鬼塚役としてもお馴染みの俳優・反町隆史さんは、健康に対し、若い頃はそれほど取り組んできたわけではなかったが、年齢を重ねてから考えるようになったという。

大事にしているのは、食事と運動、睡眠という基本的な生活。普段の食生活について、朝にグリーンスムージーをつくったり、野菜中心を意識しているという。また、過去に雑誌で、「毎日カラダの中に入れるものなので、できるだけ自然のままのもの、カラダが喜びそうなものを摂取するように心がけています」と語っている。ただ、常にストイックに禁じているわけでもなく、たまには、体に悪いとわかってはいても好きなものを好きなだけ食べたいと思うときもあり、そういうときは無理やり我慢せず、食べたあとに運動をし、消費するようにしているそうだ。

運動は、自分自身の体の特性を学びながら、どこを鍛えればより自分の体のためになるか、ということを考えてトレーニングを重ねているという。そのため、ムキムキの筋肉ではなく、自分の弱点を強化したり、俳優としてのしなやかさを身につけることを目的としている。そういったトレーニングの一環として、ピラティスを続けている。週に1、2回のピラティス以外にも、ジムやキックボクシング、ゴルフなど、「週5で運動」をしている。

反町さんは睡眠も重視している。「どんなに忙しくても一日の生活のリズムを崩さずに、睡眠時間は7〜8時間は確保して、不規則に過ごさないように心がけています」と反町さんは話す。撮影中など、体よりも脳の疲労が蓄積するときは、有酸素運動によって体を酷使することによって、良質な睡眠を取るようにしている。夜は外に出歩かず、9時頃には眠り、朝は4時、5時頃に起きるという早寝早起きの生活をルーティンにしているようだ。

肌の美容法に関して訊かれた際は、普段のトレーニングや酵素風呂などで汗をかいていること、しっかり睡眠を取ることを挙げている。また、肌ケアとしては朝晩の美容液と乳液についても触れている。

料理をしたい。でも、いざ作ろうとすると、献立を考え、材料をそろえ、いくつもの工程をこなさなければならない。面倒だし、疲れる。そんな人に向けて、料理研究家の土井善晴さんが提案するのが、日本人が昔から大切にしてきた食の基本の形、「一汁一菜」である。

一汁一菜とは、ご飯、そして味噌汁と漬物、といういわゆる和食の基本スタイル。ただし、この型にこだわりすぎる必要はないと土井さんは言う。もし大変なら、ご飯と、具だくさんの味噌汁さえあればいい。「考えることはいりません。日常の食事を一汁一菜と決めてしまえば、食事作りのストレスはなくなります。」一汁一菜では栄養が足りないのではないか、と心配になるかもしれない。でも、土井さんは、日本人はずっとこの食事を続けてきたのだから、それで元気に健康でいられるはずだ、と語る。

また、必ずしもご飯と決めつける必要はなく、パンでも麺でもかまわない。大事な点は、毎回献立を考え直すことではなく、ひとまず日々の食事は一汁一菜という「型」を一つ決めてしまうこと。

それでは、土井さん自身は日々どんな食生活を送っているのだろうか。土井さんのSNSに並ぶのは、旬の素材をそのまま活かした、驚くほど簡素な一品。たとえば、梅干し味噌汁(「うめぼしみそしる ねっとうでとくだけ 元気でます」)は、その引き寄せられるような魅力的な写真も相まって、多くの人の支持を集めた。作り方は簡単で、お椀のなかに味噌と海干しを入れ、熱湯を注ぎ入れる。味噌を溶かしながら、梅干しをほぐしていく。梅干しと、味噌汁。代表的な日本のソウルフードの共演。

また、夏の風物詩と言える、切っただけのすいか(「これはとてもおいしいすいか」)の写真。季節の色味、味わい、手が込んでいるわけではない、簡素ながら、素材に詰まっている豊かさが十二分に伝わってくる。食事の量については、若いうちならまだしも、自分の年齢になったら一日二食でじゅうぶん、と土井さんは言う。「一日三食、一汁三菜は、戦後、暮らしが豊かになるまで庶民はしていません。」「一日二食でじゅうぶんです。それこそ一食にしっかりしたおかずがあれば、もう一食は、冷ご飯に梅干しとお味噌汁でいいわ、と、そんな感じ。」

我慢や節約の話ではなく、毎日の食事から「考える負担」を取り除き、かつ自然との結びつきや健康的な食生活を無理なく維持し続ける一つの型として、土井さんは「一汁一菜でよい」と提案する。