テニス
ノバク・ジョコビッチ
Novak Djokovic
1987年生
ルーティン
自然食
グルテンフリー
試合中に体調不良に悩まされることもあった頃、小麦などのグルテンと乳製品を断つ食事へ切り替え、翌年、世界ランキング1位に。
突然、Xファクター(未知の要因)が現れ、食事が変わり、自分の体が本来のパフォーマンスを発揮できるようになった。
olympics.com
世界的なテニスプレイヤーで、小麦を抜いた食事法である「グルテンフリー」を取り入れ、成果を出したスポーツ選手としても知られるノバク・ジョコビッチ。食生活を変える2010年までは試合中に倒れることもあるなど、体調面の不安を抱えていた。しかし、セルビア人栄養士のチェトイェビッチと出会い、グルテンと乳製品の過敏症と言われる。
両親がピザ屋でもあったジョコビッチにとって抵抗感のある選択だったものの、ひとまず2週間だけ厳格なグルテンフリーの食生活に切り替えてみた。実際に体験した結果、体が軽くなり、朝の目覚めもよくなるなど、体調への効果や変化が見られたことから、ジョコビッチはグルテンフリー生活を本格的に取り入れていった。
パスタ、チーズ、パンを食事から取り除きたいと思う人はあまりいないだろう。家族がピザ屋を経営していたジョコビッチの場合はなおさらだ。しかし彼は2週間、厳格なグルテンフリーの食生活を実践した。その効果はてきめんだった。
睡眠の質が高まり、エネルギーにあふれ、体が軽く感じられた。2週間後、再びベーグルに舌鼓を打ったジョコビッチだったが、疲労と体調不良を感じた。これにより彼のグルテンフリー生活は本格化した。
食事の改善によって、自身がもともと持っていた実力をいかんなく発揮できるようになったのか、翌年には、全豪・ウィンブルドン・全米を制し、世界ランキング1位になった。「突然、Xファクター(未知の要因)が現れ、食事が変わり、自分の体が本来のパフォーマンスを発揮できるようになった」とジョコビッチは語っている。グルテンフリー以外で、普段の食事としてジョコビッチが主に食べているものは、野菜、豆類、白身肉、魚、果物、ナッツ類、種実類、ひよこ豆、レンズ豆、ヘルシーなオイルだという。
食事のメニューとしては、まず朝は解毒のために、レモンを絞ったグラス一杯の温水を飲む。あるいは、スプーン二杯のはちみつを口にふくむとも言われている。その後は、ナッツや果物のボウルと、グリーンスムージー。加えて、ときには、グルテンフリーのパンかクラッカーにアボガドやマグロを挟んだものをおやつとして食べることもある。昼はサラダに、グルテンフリーのパスタ。夕食は、「アボカドと自家製ドレッシングのミックスサラダ、人参と生姜のスープ、鶏の丸ごとレモンロースト」などのメニューが例として報じられている。
ただ、肉に関しては、現在は基本的に食べていないのではないかとも言われ、ヴィーガンやベジタリアンだという声もあれば、あくまで植物性のものが中心というスタイルの「プラントベース」だとの指摘もある。
試合中に食べるものとしては、食後の血糖値上昇が低く、エネルギー補給として優れているドライフルーツの「デーツ」をジョコビッチは挙げている。
食事の内容だけでなく、食べ方も大事にし、食事中にテレビやメールを見ながらのいわゆる「ながら」では食べない。ちゃんと食に集中し、よく噛んで食べる。また、感謝して大切に食べるように、食前の祈りを欠かさないという。食材も、オーガニック食品など自然食を選ぶ。食事や健康における一つ一つの選択や態度を大切にしている。
瞑想、ヨガ、太極拳なども日課にしている。朝、20分ほどヨガや太極拳を行う。これは単に柔軟性というだけでなく、呼吸法なども意識しながら、心身のケアのために行なっているようだ。睡眠時間についてもしっかり確保し、一日7〜8時間を取っているという。
俳優
斎藤工
さいとう・たくみ
1981年生
自炊派
自然食
グルテンフリー
玄米や納豆、糠漬け、手作り味噌の味噌汁など、腸内環境を意識した発酵食中心の食生活。
時間を重ねることは本当に良くないことなのか、疑問を抱き続けるなかで出合ったのが発酵でした。
東京カレンダー
数々の作品に出演し、監督業も行っている俳優の斎藤工さんは、子供の頃から感性を重んじたシュタイナー教育の環境で育ち、食事もマクロビだったこともあり、自然や食へ興味を抱く土台はできていたようだ。
さらにコロナの時期を経て、菌やウイルスについて調べていくなかで発酵や腸内環境への意識が深まっていった。「発酵には時間が絶対に必要です。日本は年齢を重ねることをネガティブに捉えがちじゃないですか。時間という概念に追われ、焦るか否かは分かれ道だなと10代から思っていました。時間を重ねることは本当に良くないことなのか、疑問を抱き続けるなかで出合ったのが発酵でした。まさに理想のあり方で、食を改めて見直そうと思いました」と斎藤さんは語っている。斎藤さんが出演したNHKの『スイッチインタビュー』では、発酵の専門家である小倉ヒラクさんとも対談を行っている。
腸内環境を考えた食生活にしていった斎藤さんは、小麦食品などを抜いたグルテンフリーを取り入れたり、玄米など未精製の食品や、糠漬け、無塩の鯖缶、納豆、豆腐、自家製の味噌、果物とてんさい糖と酵母菌ジュースで作った自家製の酵素シロップなど、発酵食を中心とした食生活を送っている。「現場食」のときには一日一食の少食で、普段は、玄米食や、手前味噌でつくったきのこと野菜の味噌汁など、一日につき二食半くらいのようだ。
こういった腸を中心とした食生活によって、花粉症も改善し、加えて、メンタルなど内面の変化も実感したと語っている。ただし、常にストイックに食事を律しているわけではなく、現場では周囲に合わせることもあれば、二週間に一日はチートデイを設けるなど、無理のない範囲で実践しているようだ。
競馬
戸崎圭太
とさき・けいた
1980年生
グルテンフリー
男性
不調をきっかけに
じんましんなど体調不良をきっかけに、医師の勧めでグルテンフリーを採用。ラーメン好きから一転、徹底した食生活の改善に取り組み、「夏男」になる。
大変だったし、苦しい思いもしたけれど、ジョッキーを続けたい一心で頑張れたし、ここでもがむしゃら気質が生きたと思う。
戸崎圭太『やり抜く力 天才じゃなくてもトップになれた「ベリベリ」シンプルな理由』
日本競馬を代表する騎手の一人で、夏に強いことでも知られる戸崎圭太さんは、食事に関して意識が高く、食事法としてテニスのジョコビッチ選手が取り入れたことでも有名な、小麦などを抜く「グルテンフリー」を実践している。グルテンフリーを実践する以前は、ラーメンを週に何度も食べるような食生活で、特別食にストイックだったわけではなかったものの、じんましんなど体調不良に悩み、トレーナーに相談。その際、トレーナーに連れて行かれた病院で、腸内環境改善の一環としてグルテンフリーを勧められる。
じんましんなどが仕事への支障もあったことから、戸崎さんは覚悟を決め、完全なグルテンフリー生活に挑戦する。麺、パン、揚げ物、また小麦が使われている醤油などの調味料から飲み物までグルテンフリーを徹底した。期間は「とりあえず3ヶ月」と医師には言われていたが、かゆみ自体は1ヶ月ほど続けていたら治っていったという。効果への手応えを覚えたこともあり、結局丸2年間続けた。自分にはグルテンフリーが合っていたのか、以来じんましんも出なくなり、また夏場にばてるということもなくなった、と語っている。
その他、戸崎さんはメンタル面でのコンディショニングの一環として、瞑想を行なったり、「今やることに集中する」「とにかくコツコツとやる」ことを心がけているという。


