スポーツ選手・表現者の食生活から学ぶ

実践者から学ぶために、それぞれの分野のトップで活躍するスポーツ選手・表現者の食生活に関する情報・名言をまとめた“ノート”です。

キーワード: 自然食

声や目利きだけでなく、肉体美も注目され、体の維持のためにストイックな食事法やトレーニングを行なっているミュージシャンのGACKTさん。GACKTさんが肉体管理、健康維持のために実践している食生活の特徴が、「一日一食」と「炭水化物抜き」だ。このスタイルはどちらも、GACKTさんがソロになった20代半ばの頃に始めたという。その際、なにか大切なものを一つ置いておこうと、自分を追い込む意味合いから、好きだった食事を一食にし、米もやめたそうだ。もともとは健康習慣というよりも、あくまで自分との約束事で、基本的に炭水化物は抜くものの、誕生日のときにラーメン、フランスに行ったときにパンをご褒美として食べるという。

また、一日一食にすることによって、いっそうその一食の質や中身へのこだわりも強くなっていく。絶対避けるということは難しいにしても、砂糖や化学調味料などを避け、調味料代わりにレモンを使うことも多い。炭水化物を摂らないぶん、肉をよく食べるようだ。栄養については、プロテインやサプリでも補っている。加えて、頭も冴え、集中力も高まることから、しばしば長期にわたっての断食(ファスティング)も行なっている。健康への意識の高さには、幼少期からの神経系疾患の影響もあるようだ。「僕の病気って幼少のころからある病気で、それを克服しようと思って僕はネットのない時代から分子栄養学だったりとか食事のことに対してすごく自分からいろいろ情報をかき集めて、それをやり続けてるから今もこうやって生き続けてると思う」と語っている。

筋トレもストイックに行なっている。筋トレについては「楽しい」わけではないとGACKTさんは言う。ただ、これがたとえば仕事となると、他者も関わってくるものの、自分の体のことは自分次第で、筋トレを3ヶ月もすると変化が見えることから、自分が継続できたことの誇りにも繋がってくると指摘している。

長年アルゼンチン代表として活躍し、ワールドカップ優勝も経験している世界的なサッカー選手のリオネル・メッシ。しかしメッシは健康面での不安があり、若い頃は怪我に悩まされ、また20代後半まで、試合中に吐き気を催すこともたびたびあった。ドイツに敗れた2014年ワールドカップ決勝もそうだった。この頃、アルゼンチン代表のチームメイトの紹介で、イタリアの栄養士で医師でもあるジュリアーノ・ポーザーと出会い、彼の指導のもと、根本的な食生活の見直しを始めた。

見直しの柱は、砂糖や甘い飲み物、精製された小麦を避け、添加物や農薬などで汚染された食品も控えること。代わりに口にするのは、質のよいミネラルウォーター、エキストラバージンオリーブオイル、全粒粉の穀物、自然食品や旬の食材、ナッツなど。また、肉を減らし、魚を食べる回数を増やしたという。加えて、「飲むサラダ」と称される、南米で広く愛されているマテ茶をよく飲むようになった。

メッシ自身も、若い頃の食生活を後年になって振り返り、チョコレート、アルファホール(中南米の菓子)、炭酸飲料ばかりだったと語っている。ピザも大好物だったが、食事の改善によって一切口にしなくなったようだ。「昔は体に悪いものばかり食べていたよ。──でも今は食生活を改善したんだ。たまにワインも飲むけど、あまり問題ではないね。吐き気については変化がはっきりと分かった」とメッシは言う。

ノルウェー代表のサッカー選手で、世界に名高いストライカーであるアーリング・ハーランド。彼はサプリメントやプロテインに頼らず、本物の食品ホールフードによって身体の管理を行なっている。特に自然の食材へのこだわりが強く、水道水は飲まずにろ過した水を飲み、加工食品も避ける。また、生乳や牛肉は地元の農場で牧草を食べて育った牛のものをわざわざ選ぶようにし、なかでもハツやレバーなど内臓肉を食べる。サーモンやサバなど魚料理も食事メニューに盛り込む。日々の食事や発言などからは、その量もさることながら、質も大事にしていることが窺える。

体のケアという点では、食事以外に、トレーナーによる入念なストレッチや、サウナと冷水浴を交互に繰り返す温冷交代浴も実践している。あるいは睡眠も非常に重視し、朝は体内時計を整えるためにも日の光を浴びに散歩に出かけ、夜になると睡眠を妨げるとされるブルーライトを避けるようにしている。ストイックなこの姿勢について、ハーランドは次のように語っている。「やらない理由がないよね? 自分の人生のため、そしてサッカーキャリアのためだ。できる限り、誰にでもできる簡単で小さなことを一つずつ最適化していくことに、何の不都合があるっていうんだい?」

長きに渡って文学の世界で活躍を続ける小説家の村上春樹さんは、健康を重視している。村上さんの朝は早い。午前4時に起床し、執筆も午前中のうちに行う。もっと書けそうでも、無理はしない。昼からは、ランニングをしたり泳いだりと運動のほか、軽い昼寝、読書や音楽など趣味の時間を過ごし、夜は9時頃に眠りにつく。こういった生活のルーティンのなかで小説を執筆する。

走り始めたのは専業の小説家になった30代の頃で、心の闇に触れる小説家という職業柄からもエッセイなどで健康の重要性については繰り返し語り、「真に不健康なものを扱うためには、人はできるだけ健康でなくてはならない」というテーゼを大事にしている。

また、小説のなかでしばしば「食事」が重んじられているように、作家自身の日々の食生活もしっかりしている。食事の内容は野菜と魚が中心で、肉もときどきは食べる。主食は酵素玄米で、調味料は自然の素材のものを使う。量は腹七分ほどにとどめ、眠る3時間前からは食べない。酒は飲むものの、量は控えめだという。