スポーツ選手・表現者の食生活から学ぶ

実践者から学ぶために、それぞれの分野のトップで活躍するスポーツ選手・表現者の食生活に関する情報・名言をまとめた“ノート”です。

キーワード: 少食・一日一食

長年活躍し、2014年に最終回を迎えた『笑っていいとも』や、『ミュージックステーション』の司会でもお馴染みのタモリさん。タモリさんの食事は、同じ芸人さんでもある明石家さんまさんと同じく、一日一食半の少食スタイル(さんまさんの場合は回数よりも量=腹六分)。サラダかおひたしのような野菜ものと、煮たり焼いたり蒸したりした魚料理、それと少量のご飯とみそ汁、といった簡素なメニューだという。ある程度空腹のほうが調子がよく、「お腹いっぱい食べると気持ち悪いですよ。少食は良いと思います」「なるべく固形物が胃に入らない時間を長くしたほうがいい」と語っている。

食事のほかに実践している健康法として、運動は散歩を行なっているという。その際、足を少し高く上げたり坂道を登るといった多少の負荷を心がけている。ストイックに追い込むというよりも、あまり無理なくまずは「続ける」ことを重視している。また、体を石鹸やボディソープで洗わず、湯船に浸かるだけで済ませる入浴法も続けている。これはのちに「タモリ式入浴法」と呼ばれ、他に芸能人でも福山雅治さんやローラさん、窪塚洋介さんなども実践しているようだ。実際、洗いすぎによって本来なら皮膚を守る常在菌まで落としてしまうという弊害もあると言われる。現在では、石鹸やシャンプーを使って洗いすぎることのデメリットもしばしば取り上げられ、あまり「洗わない」ということの重要性も語られるようになっている。

長年に渡って連載が続いている漫画『ジョジョの奇妙な冒険』の作者、荒木飛呂彦さんは、「王道を行きながら実験的」と評されるその作風だけでなく、いつまでも「老けない」という見た目でも注目を集める。荒木さんの若さの秘訣として考えられることの一つに、その食生活が挙げられる。荒木さんは、しばしば少食と言われ、食事内容については、朝が自家製の生野菜ジュース、昼は野菜中心の食事、夜は食べないといったほぼ一日一食のスタイルが基本という話もある。空腹の時間が若返りのスイッチになるという指摘もあることから、荒木さんの「老けない」理由として、この食生活の影響も大きいのかもしれない。

また、食事にかぎらず、荒木さんの健康への気遣いとして、「休むこと」を大事にしている、ということも挙げられる。週休二日で完全に休む日を設ける、規則正しい生活を送って睡眠時間をしっかりとる(昔のインタビュー本によれば、夜11時に就寝し、朝10時に起きるという)、あるいはストレス管理なども気をつけているようだ。運動も日課で、朝の散歩や、ジムでのトレーニング、プールなどを習慣にしているという。

特にどの習慣が、荒木さんの若さの秘訣に繋がっているかは定かではないが、食事や睡眠、ストレス管理など、通して見られる抑制的で健康的な生活習慣が、長きに渡る第一線での活躍や若々しさの源になっているのかもしれない。

長きに渡って文学の世界で活躍を続ける小説家の村上春樹さんは、健康を重視している。村上さんの朝は早い。午前4時に起床し、執筆も午前中のうちに行う。もっと書けそうでも、無理はしない。昼からは、ランニングをしたり泳いだりと運動のほか、軽い昼寝、読書や音楽など趣味の時間を過ごし、夜は9時頃に眠りにつく。こういった生活のルーティンのなかで小説を執筆する。

走り始めたのは専業の小説家になった30代の頃で、心の闇に触れる小説家という職業柄からもエッセイなどで健康の重要性については繰り返し語り、「真に不健康なものを扱うためには、人はできるだけ健康でなくてはならない」というテーゼを大事にしている。

また、小説のなかでしばしば「食事」が重んじられているように、作家自身の日々の食生活もしっかりしている。食事の内容は野菜と魚が中心で、肉もときどきは食べる。主食は酵素玄米で、調味料は自然の素材のものを使う。量は腹七分ほどにとどめ、眠る3時間前からは食べない。酒は飲むものの、量は控えめだという。

芸人界のレジェンドで、長年第一線でフル稼働の活躍を見せる明石家さんまさん。その元気の源として考えられるのが、普段の食事。食事といっても、内容以上に量についての意識が高く、少食を心がけている。腹八分、ときには六分ほどでやめるという。これまで満腹だと言ったことがないそうで、眠くなって思考が鈍り、動きにくくなるから、というのが、満腹まで食べない理由だとさんまさんは後輩芸人に語っている。

この食事の分量に関しては、さんまさん自身ときおりメディアでも語っていることから、だいぶ意識的に行なっていることのようだ。また、食生活でよく口にするものとしては、赤ワイン、発酵食品、いわしを挙げている。

さんまさんは病気知らずとしても有名で、そもそも病院には行かない、あるいは健康診断を受けないことでも知られる。この病院に行かない、健康診断を受けない、というさんまさんの考え方については、医師の和田秀樹さんも以前YouTubeで取り上げ、決して悪いことではなく、「さんまさんはこれを続けてほしい」と指摘している(『ヒデキとモリヨのお悩み相談「明石家さんまさんの健康法」』)。

タレントの野沢直子さんも、大竹まことさんとゲストパートナーの大久保佳代子さんが出ているラジオにゲスト出演した際、長年健康診断を受けていないことを公言し、その理由として、「なんか悪いとこ見つけちゃって心配するのが嫌だから。それが私の健康法」と語っている。これはさんまさんの影響というわけではなさそうだが、大久保さんが、「さんまさんと同じことを言ってる」と返している。

食生活以外に、さんまさんが日頃行っている健康法では、運動の一環として車を遠くの駐車場に停めて歩くように心がけているという。スポーツ好きとして知られるものの、それほど熱心に運動に取り組んでいるわけでもなさそうだ。また、これは体全体を使った運動ではないものの、分厚い手帳に手書きで、思ったことや出来事、笑いの種などを日々ずっと記録しているようだ。この「手書きの習慣」は、デジタル入力よりも脳の活性化にいいと言われている。

また、さんまさんは体力面だけでなく精神面においても元気で、そのポジティブさを維持する秘訣として、「自分自身に期待しない」ということを挙げている。自分を過大評価しない。過大評価するから、「自分はもっとできたはず」と、そのギャップに落ち込んでしまう。最初から、謙虚に、自分はこんなものだ、と思っていたら、自分にとって今日できたことが全て、とあるがままを受け入れられる。

さんまさんのイメージからすると、腹六分の食事だったり、過大評価しないというのは、ちょっと意外にも映る。しかし、この姿勢が、長年の活躍を生んでいるのかもしれない。