スポーツ選手・表現者の食生活から学ぶ

実践者から学ぶために、それぞれの分野のトップで活躍するスポーツ選手・表現者の食生活に関する情報・名言をまとめた“ノート”です。

キーワード: 自炊派

女優の小雪さんは、家族の健康を気遣っていた母親のおかげで、食生活は、玄米食や味噌汁であったり、白砂糖ではなく黒砂糖を使ったりと、自然食の環境で育った。そのため、自ずと素材の味や粗食の大切さに対する感覚も身についていったようだ。

同じく俳優の松山ケンイチさんと結婚し、子育てをしていくなかでも、そういった食事を大切にするという感覚は残り、料理は基本的に手作りで、発酵食は必ず摂り、塩や麹、味噌などのシンプルな調味料を使用。新鮮な季節の野菜は皮や種ごといただくという。自分たちで農業も行っているので、自家製の野菜も使う。また、植物性と動物性両方のたんぱく質をバランスよく取り入れる。

発酵食については、NHK Eテレで『小雪と発酵おばあちゃん』という各地で発酵食づくりの達人の発酵おばあちゃんを訪ね、未来に残したい郷土食を教わるという番組に出演。番組は書籍化もしている。発酵おばあちゃんとの交流のなかで、郷土料理に根付く知恵や生活の工夫、住まいなど幅広く文化を体験できたようだ。

美容法としても、肌への表面的なお手入れだけでなく、体内へのアプローチや環境などを大事にする。小雪さんは、「そもそも肌は内臓の鏡。お手入れはしっかりしますが、ただ表面からケアするだけでは十分ではないと思います。先ほどお話ししたような食べものはもちろん、きれいな空気や水などの外的要因もとても大事」と言い、また、普段から冷えや肌荒れといった体の声に耳を傾け、違和感を察知しながら、生活習慣を省みるようにしている。美容と健康の結びつきについて、小雪さんは、次のように語っている。「美容は常に健康と隣り合わせであることを実感しています」。

数々の作品に出演し、監督業も行っている俳優の斎藤工さんは、子供の頃から感性を重んじたシュタイナー教育の環境で育ち、食事もマクロビだったこともあり、自然や食へ興味を抱く土台はできていたようだ。

さらにコロナの時期を経て、菌やウイルスについて調べていくなかで発酵や腸内環境への意識が深まっていった。「発酵には時間が絶対に必要です。日本は年齢を重ねることをネガティブに捉えがちじゃないですか。時間という概念に追われ、焦るか否かは分かれ道だなと10代から思っていました。時間を重ねることは本当に良くないことなのか、疑問を抱き続けるなかで出合ったのが発酵でした。まさに理想のあり方で、食を改めて見直そうと思いました」と斎藤さんは語っている。斎藤さんが出演したNHKの『スイッチインタビュー』では、発酵の専門家である小倉ヒラクさんとも対談を行っている。

腸内環境を考えた食生活にしていった斎藤さんは、小麦食品などを抜いたグルテンフリーを取り入れたり、玄米など未精製の食品や、糠漬け、無塩の鯖缶、納豆、豆腐、自家製の味噌、果物とてんさい糖と酵母菌ジュースで作った自家製の酵素シロップなど、発酵食を中心とした食生活を送っている。「現場食」のときには一日一食の少食で、普段は、玄米食や、手前味噌でつくったきのこと野菜の味噌汁など、一日につき二食半くらいのようだ。

こういった腸を中心とした食生活によって、花粉症も改善し、加えて、メンタルなど内面の変化も実感したと語っている。ただし、常にストイックに食事を律しているわけではなく、現場では周囲に合わせることもあれば、二週間に一日はチートデイを設けるなど、無理のない範囲で実践しているようだ。

ドラマ『GTO』の鬼塚役としてもお馴染みの俳優・反町隆史さんは、健康に対し、若い頃はそれほど取り組んできたわけではなかったが、年齢を重ねてから考えるようになったという。

大事にしているのは、食事と運動、睡眠という基本的な生活。普段の食生活について、朝にグリーンスムージーをつくったり、野菜中心を意識しているという。また、過去に雑誌で、「毎日カラダの中に入れるものなので、できるだけ自然のままのもの、カラダが喜びそうなものを摂取するように心がけています」と語っている。ただ、常にストイックに禁じているわけでもなく、たまには、体に悪いとわかってはいても好きなものを好きなだけ食べたいと思うときもあり、そういうときは無理やり我慢せず、食べたあとに運動をし、消費するようにしているそうだ。

運動は、自分自身の体の特性を学びながら、どこを鍛えればより自分の体のためになるか、ということを考えてトレーニングを重ねているという。そのため、ムキムキの筋肉ではなく、自分の弱点を強化したり、俳優としてのしなやかさを身につけることを目的としている。そういったトレーニングの一環として、ピラティスを続けている。週に1、2回のピラティス以外にも、ジムやキックボクシング、ゴルフなど、「週5で運動」をしている。

反町さんは睡眠も重視している。「どんなに忙しくても一日の生活のリズムを崩さずに、睡眠時間は7〜8時間は確保して、不規則に過ごさないように心がけています」と反町さんは話す。撮影中など、体よりも脳の疲労が蓄積するときは、有酸素運動によって体を酷使することによって、良質な睡眠を取るようにしている。夜は外に出歩かず、9時頃には眠り、朝は4時、5時頃に起きるという早寝早起きの生活をルーティンにしているようだ。

肌の美容法に関して訊かれた際は、普段のトレーニングや酵素風呂などで汗をかいていること、しっかり睡眠を取ることを挙げている。また、肌ケアとしては朝晩の美容液と乳液についても触れている。

女優の石田ゆり子さんは、日々の何気ないシーンや運動(地味トレ)、ファッションなどを載せたインスタグラムでも人気で、睡眠と運動、そして栄養が大事だと書いている。「運動は全てを良い方向に連れて行ってくれます。体と心は繋がっていますから」とキャプションにも書いているように、トレーニングは週2回、バランスボールを使うなど、地味ながら体幹に効くトレーニングを実践している。もともと10代の頃に水泳を行っていたこともあり、基本的な筋肉はあるそうで、インスタの動画で披露しているストレッチによる体の柔らかさやバランス力にも驚きの声も挙がっている。長年ピラティスも行っていたようだ。

食生活においても石田さんは細やかな点を大切にしている。まずは、食べすぎないこと、夜寝る前に食べないことなどを挙げている。それから、 朝起きてすぐは白湯や水で体を慣らす。食べる順番も、お米など糖質を取る前に、ちゃんとした鮮度のある生野菜からゆっくりよく噛んで食べるようにする。野菜の味付けは、塩とレモンとオリーブオイル。食材選びについても、鮮度を重視する。こういった食生活における小さなこだわりを持っているという。また、野菜たっぷりの味噌汁など発酵食品を摂ったり、大豆食品を大事にしていると過去にインタビューで触れている。

こんな風に運動や食に関して気遣っている石田さんは、健康について次のようにシンプルな考えを語っている。「ストレスをためないこと。そのために、まずは運動をすること、きちんと眠ること、あとは正しい栄養を取るために、おいしいものを頂く。結局この3本柱に返ってきます」美容と健康は切っても切り離せない、とも過去に話している。

また、普段、ストレス発散やリラックスも兼ねてか、季節の変化を感じることのできる道を散歩し、ひとりの時間では、大きな木の下に行きたくなるという。「昔から自然の中で過ごすのが好きですね。花や実を眺めるのも楽しいですが、心が疲れたときは、無性に大きい木に会いたくなります。」と語るように、決してストイックに行っているような雰囲気は感じさせず自然体という点も人気の理由と言えるかもしれない。

長年活躍し、2014年に最終回を迎えた『笑っていいとも』や、『ミュージックステーション』の司会でもお馴染みのタモリさん。タモリさんの食事は、同じ芸人さんでもある明石家さんまさんと同じく、一日一食半の少食スタイル(さんまさんの場合は回数よりも量=腹六分)。サラダかおひたしのような野菜ものと、煮たり焼いたり蒸したりした魚料理、それと少量のご飯とみそ汁、といった簡素なメニューだという。ある程度空腹のほうが調子がよく、「お腹いっぱい食べると気持ち悪いですよ。少食は良いと思います」「なるべく固形物が胃に入らない時間を長くしたほうがいい」と語っている。

食事のほかに実践している健康法として、運動は散歩を行なっているという。その際、足を少し高く上げたり坂道を登るといった多少の負荷を心がけている。ストイックに追い込むというよりも、あまり無理なくまずは「続ける」ことを重視している。また、体を石鹸やボディソープで洗わず、湯船に浸かるだけで済ませる入浴法も続けている。これはのちに「タモリ式入浴法」と呼ばれ、他に芸能人でも福山雅治さんやローラさん、窪塚洋介さんなども実践しているようだ。実際、洗いすぎによって本来なら皮膚を守る常在菌まで落としてしまうという弊害もあると言われる。現在では、石鹸やシャンプーを使って洗いすぎることのデメリットもしばしば取り上げられ、あまり「洗わない」ということの重要性も語られるようになっている。