スポーツ選手・表現者の食生活から学ぶ

実践者から学ぶために、それぞれの分野のトップで活躍するスポーツ選手・表現者の食生活に関する情報・名言をまとめた“ノート”です。

キーワード: 発酵食

宝塚出身の女優で、「理想の上司」ランキングで1位にも選ばれている女優の天海祐希さん。天海さんは、50歳くらいの頃から食生活に発酵食品を取り入れるなど、自分でも健康について色々と調べるようになったという。普段の食事は、一日三食で、発酵玄米や味噌汁、糠漬けなど、基本和食。「ストレッチは毎日していますが、自分を整えるもののベースは食事」「普段の食事は、ご飯、おみそ汁、お漬物に、焼き魚や納豆、季節の野菜を加えた和食が基本。手の込んだものは外でいただくので、家では簡単なものばかりです」と語っている。

また、仕事に集中しているあいだは、満腹だと頭がまわらなくなって台詞も言いづらくなることから「腹七分」を心がけているという。とは言え、健康的な食生活ばかりでも味気ないことから、休みの日には焼肉のように脂っこいものを食べるなど、自分のなかの食べたいという欲求に応じることもあるものの、その翌日はサラダや納豆にしたりとバランスを考えた食事を取るそうだ。

食事以外の体のケアとしては、湯船にゆっくり浸かったり、日々のストレッチは欠かさないルーティンになっている。運動は、休みの日にジムに通っているようで、体をほぐし、運動することで、肩こりや腰痛もないという。また、睡眠も大事にしているそうで、日付が変わる前に眠り、7時間半程度は確保するようにしている。

年齢を重ねることについてもネガティブな感情はなく、先輩女優のなかにどんな年齢でもイキイキと格好いい人たちがいるからこそ、その年齢を楽しむことはできると、天海さんは考え、美容法も、特に目立ったことは何もしていないようだ。普段の食事やストレッチ、運動、入浴などの習慣のほか、そういった無理やり抗おうとしない自然体な姿勢も、健康面や美容面において大きいのかもしれない。人生は思っているよりも短い。「悩み続けるより、どうやって解決するかを考えて、楽しい気持ちで時間を過ごしたほうがいい」と天海さんはインタビューで語っている。

新たに自分のものを買うことは少なくなり、今持っているものを使いこなすことを考えるようになったという天海さん。そのぶん、旬のものを食べに行ったり、誰かとの楽しい時間にお金を費やすことが増えたようだ。

女優の小雪さんは、家族の健康を気遣っていた母親のおかげで、食生活は、玄米食や味噌汁であったり、白砂糖ではなく黒砂糖を使ったりと、自然食の環境で育った。そのため、自ずと素材の味や粗食の大切さに対する感覚も身についていったようだ。

同じく俳優の松山ケンイチさんと結婚し、子育てをしていくなかでも、そういった食事を大切にするという感覚は残り、料理は基本的に手作りで、発酵食は必ず摂り、塩や麹、味噌などのシンプルな調味料を使用。新鮮な季節の野菜は皮や種ごといただくという。自分たちで農業も行っているので、自家製の野菜も使う。また、植物性と動物性両方のたんぱく質をバランスよく取り入れる。

発酵食については、NHK Eテレで『小雪と発酵おばあちゃん』という各地で発酵食づくりの達人の発酵おばあちゃんを訪ね、未来に残したい郷土食を教わるという番組に出演。番組は書籍化もしている。発酵おばあちゃんとの交流のなかで、郷土料理に根付く知恵や生活の工夫、住まいなど幅広く文化を体験できたようだ。

美容法としても、肌への表面的なお手入れだけでなく、体内へのアプローチや環境などを大事にする。小雪さんは、「そもそも肌は内臓の鏡。お手入れはしっかりしますが、ただ表面からケアするだけでは十分ではないと思います。先ほどお話ししたような食べものはもちろん、きれいな空気や水などの外的要因もとても大事」と言い、また、普段から冷えや肌荒れといった体の声に耳を傾け、違和感を察知しながら、生活習慣を省みるようにしている。美容と健康の結びつきについて、小雪さんは、次のように語っている。「美容は常に健康と隣り合わせであることを実感しています」。

モデルで、日本人の母とバングラデシュ人の父を持つローラさん。若い頃からのモデルやテレビの仕事で疲弊し、心がすり減ってしまったローラさんは、一時アメリカに移住。その時期、それまで以上に運動や食事など健康を意識するようになったと語る。「ロサンゼルスでは、仕事の前後に運動をする人が多いんです。私は日本にいた頃、ずっとお仕事をする生活だったのですが、今はもっと〈運動して体を見つめてあげよう〉〈食に時間をかけよう〉と思うことが増えました。」

また、断捨離なども進めるうちに、自分が本当に好きなものが見えてきたり、自身のルーツについても深く考えるようになったという。日本に帰国後、母方のルーツである新潟で、無農薬の米づくりや雑穀栽培など農業を行う。自然豊かな環境で、昔ながらの裸足での田植え姿も話題になっている。

食生活については、過去のインタビューによれば、一日三食にはこだわらず、お腹が空いていないときには食べないで、腹七分を心がけ、二食だったり、一食半だったりと、体の声に耳を傾けた量にしているようだ。この食生活に変えてから、眠気や集中力が出ないということがなくなったという。

小腹が空いたときは、アーモンドやダークチョコレート、トランス脂肪酸が入っていないおやつなどを食べる。もともとは植物性のものが中心で、魚料理も少しだけ食べる。たとえば、ある日の食事のメニューは、玄米、魚の煮付け、味噌汁、冷ややっこなど。いわゆるヴィーガンではなく、魚介類も取り入れた「ペスカタリアン」だった。

ただ、数年間の肉を食べない生活を送ったローラさんは、その後、肉を絶対に食べないという考えからは少し離れ、育て方や環境に配慮された畜産のものを感謝していただくという形に変えたという。そして、「食べるのならば自分で行い、命のありがたみや責任を感じたい」と、実際に鶏の解体なども行っている。また、味噌や塩麹など、発酵食品も手作りし、趣のある木造の発酵食を保管する「発酵ルーム」もある。その他、茶道も始めるなど、SNSなどを通じ、自然の大切さや日本文化、食料自給率の問題の発信を行っている。

数々の作品に出演し、監督業も行っている俳優の斎藤工さんは、子供の頃から感性を重んじたシュタイナー教育の環境で育ち、食事もマクロビだったこともあり、自然や食へ興味を抱く土台はできていたようだ。

さらにコロナの時期を経て、菌やウイルスについて調べていくなかで発酵や腸内環境への意識が深まっていった。「発酵には時間が絶対に必要です。日本は年齢を重ねることをネガティブに捉えがちじゃないですか。時間という概念に追われ、焦るか否かは分かれ道だなと10代から思っていました。時間を重ねることは本当に良くないことなのか、疑問を抱き続けるなかで出合ったのが発酵でした。まさに理想のあり方で、食を改めて見直そうと思いました」と斎藤さんは語っている。斎藤さんが出演したNHKの『スイッチインタビュー』では、発酵の専門家である小倉ヒラクさんとも対談を行っている。

腸内環境を考えた食生活にしていった斎藤さんは、小麦食品などを抜いたグルテンフリーを取り入れたり、玄米など未精製の食品や、糠漬け、無塩の鯖缶、納豆、豆腐、自家製の味噌、果物とてんさい糖と酵母菌ジュースで作った自家製の酵素シロップなど、発酵食を中心とした食生活を送っている。「現場食」のときには一日一食の少食で、普段は、玄米食や、手前味噌でつくったきのこと野菜の味噌汁など、一日につき二食半くらいのようだ。

こういった腸を中心とした食生活によって、花粉症も改善し、加えて、メンタルなど内面の変化も実感したと語っている。ただし、常にストイックに食事を律しているわけではなく、現場では周囲に合わせることもあれば、二週間に一日はチートデイを設けるなど、無理のない範囲で実践しているようだ。

女優の石田ゆり子さんは、日々の何気ないシーンや運動(地味トレ)、ファッションなどを載せたインスタグラムでも人気で、睡眠と運動、そして栄養が大事だと書いている。「運動は全てを良い方向に連れて行ってくれます。体と心は繋がっていますから」とキャプションにも書いているように、トレーニングは週2回、バランスボールを使うなど、地味ながら体幹に効くトレーニングを実践している。もともと10代の頃に水泳を行っていたこともあり、基本的な筋肉はあるそうで、インスタの動画で披露しているストレッチによる体の柔らかさやバランス力にも驚きの声も挙がっている。長年ピラティスも行っていたようだ。

食生活においても石田さんは細やかな点を大切にしている。まずは、食べすぎないこと、夜寝る前に食べないことなどを挙げている。それから、 朝起きてすぐは白湯や水で体を慣らす。食べる順番も、お米など糖質を取る前に、ちゃんとした鮮度のある生野菜からゆっくりよく噛んで食べるようにする。野菜の味付けは、塩とレモンとオリーブオイル。食材選びについても、鮮度を重視する。こういった食生活における小さなこだわりを持っているという。また、野菜たっぷりの味噌汁など発酵食品を摂ったり、大豆食品を大事にしていると過去にインタビューで触れている。

こんな風に運動や食に関して気遣っている石田さんは、健康について次のようにシンプルな考えを語っている。「ストレスをためないこと。そのために、まずは運動をすること、きちんと眠ること、あとは正しい栄養を取るために、おいしいものを頂く。結局この3本柱に返ってきます」美容と健康は切っても切り離せない、とも過去に話している。

また、普段、ストレス発散やリラックスも兼ねてか、季節の変化を感じることのできる道を散歩し、ひとりの時間では、大きな木の下に行きたくなるという。「昔から自然の中で過ごすのが好きですね。花や実を眺めるのも楽しいですが、心が疲れたときは、無性に大きい木に会いたくなります。」と語るように、決してストイックに行っているような雰囲気は感じさせず自然体という点も人気の理由と言えるかもしれない。