スポーツ選手・表現者の食生活から学ぶ

一流のパフォーマンスは真似できなくても、そのパフォーマンスを維持するための習慣なら真似できるかもしれない──

キーワード: ルーティン

ドラマ『GTO』の鬼塚役としてもお馴染みの俳優・反町隆史さんは、健康に対し、若い頃はそれほど取り組んできたわけではなかったが、年齢を重ねてから考えるようになったという。

大事にしているのは、食事と運動、睡眠という基本的な生活。普段の食生活について、朝にグリーンスムージーをつくったり、野菜中心を意識しているという。また、過去に雑誌で、「毎日カラダの中に入れるものなので、できるだけ自然のままのもの、カラダが喜びそうなものを摂取するように心がけています」と語っている。ただ、常にストイックに禁じているわけでもなく、たまには、体に悪いとわかってはいても好きなものを好きなだけ食べたいと思うときもあり、そういうときは無理やり我慢せず、食べたあとに運動をし、消費するようにしているそうだ。

運動は、自分自身の体の特性を学びながら、どこを鍛えればより自分の体のためになるか、ということを考えてトレーニングを重ねているという。そのため、ムキムキの筋肉ではなく、自分の弱点を強化したり、俳優としてのしなやかさを身につけることを目的としている。そういったトレーニングの一環として、ピラティスを続けている。週に1、2回のピラティス以外にも、ジムやキックボクシング、ゴルフなど、「週5で運動」をしている。

反町さんは睡眠も重視している。「どんなに忙しくても一日の生活のリズムを崩さずに、睡眠時間は7〜8時間は確保して、不規則に過ごさないように心がけています」と反町さんは話す。撮影中など、体よりも脳の疲労が蓄積するときは、有酸素運動によって体を酷使することによって、良質な睡眠を取るようにしている。夜は外に出歩かず、9時頃には眠り、朝は4時、5時頃に起きるという早寝早起きの生活をルーティンにしているようだ。

肌の美容法に関して訊かれた際は、普段のトレーニングや酵素風呂などで汗をかいていること、しっかり睡眠を取ることを挙げている。また、肌ケアとしては朝晩の美容液と乳液についても触れている。

午後5時には就寝し、夜11時には一日が始まるなど、ヨガを取り入れた驚きの摂生生活で知られるタレント・芸人・俳優とマルチに活躍する片岡鶴太郎さん。こういった生活を始める以前は、お酒も飲み、直情的でもあったものの、57歳の頃、哲学や人生の礎となる重たいものを探していた鶴太郎さんは、ヨガに出会う。このヨガとの出会いによって、精神面における考え方についての変化があったという。「ヨガは古代インド哲学に基づいている。実際に接してその深さや人類の英知に触れた気がして震えるほど感動しました。宇宙の原理であり、自然崇拝。ひと言では言えないほど深いものです。よくヨガのポーズをやっている姿を見かけますが、大切なのは肉体的なことよりも精神的なことです。」と鶴太郎さんは語る。

鶴太郎さんの食事は、一日一食。夜11時に起きたあと、朝5時までヨガをし、朝5時半から、じっくり大切に2時間半かけて食べ、その後に仕事、というスケジュール。ある朝ごはんのメニューは、玄米、野菜の味噌汁、玉ねぎの酢漬け、なめ茸、自家製アボガドとひよこ豆のサラダ、黒豆、人参ときゅうりの漬物、甘酒シナモン、たっぷりの季節のフルーツ。一日一食ということもあり、玄米菜食でありながらも種類が豊かで、この朝食を、旬の果物から、豆類、野菜の料理と、順番も大切にしながら丁寧に食していく。朝食以降、間食も一切なし。飲み物は白湯のみ。

肉や魚は、普段は摂っていないものの、外食や食べたいときには食べているという。ただ、ドラマの台詞覚えなど、頭を使う仕事の際は、いっそう消化にエネルギーを持っていかれることを避けるためにも精進料理のようなものが中心になるそうだ。お酒については自然に飲めなくなったという。この食生活も、体の声を聞きながら判断していったので、無理やりストイックに行なっているという感覚はなく、寝る前にはお腹も空いているものの、その空腹感が心地いいと語っている。

ノルウェー代表のサッカー選手で、世界に名高いストライカーであるアーリング・ハーランド。彼はサプリメントやプロテインに頼らず、本物の食品ホールフードによって身体の管理を行なっている。特に自然の食材へのこだわりが強く、水道水は飲まずにろ過した水を飲み、加工食品も避ける。また、生乳や牛肉は地元の農場で牧草を食べて育った牛のものをわざわざ選ぶようにし、なかでもハツやレバーなど内臓肉を食べる。サーモンやサバなど魚料理も食事メニューに盛り込む。日々の食事や発言などからは、その量もさることながら、質も大事にしていることが窺える。

体のケアという点では、食事以外に、トレーナーによる入念なストレッチや、サウナと冷水浴を交互に繰り返す温冷交代浴も実践している。あるいは睡眠も非常に重視し、朝は体内時計を整えるためにも日の光を浴びに散歩に出かけ、夜になると睡眠を妨げるとされるブルーライトを避けるようにしている。ストイックなこの姿勢について、ハーランドは次のように語っている。「やらない理由がないよね? 自分の人生のため、そしてサッカーキャリアのためだ。できる限り、誰にでもできる簡単で小さなことを一つずつ最適化していくことに、何の不都合があるっていうんだい?」

代表作の漫画『ジョジョの奇妙な冒険』だけでなく、いつまでも「老けない」というその見た目にも注目が集まることの多い漫画家の荒木飛呂彦さん。食事は、しばしば少食と言われ、朝は自家製の生野菜ジュース、昼は野菜中心の食事、夜は食べないといったほぼ一日一食のスタイルが基本だという話もある。空腹の時間が若返りのスイッチになるという声はあり、「老けない」理由として少食の影響も大きいのかもしれない。

また食事だけにかぎらず、健康への気遣いとして、週休二日で完全に休む日を設ける、規則正しい生活を送り、睡眠時間をしっかりとる(昔のインタビュー本によれば、夜11時に就寝し、朝10時に起きるという)など「休むこと」も大切にし、ストレス管理なども気をつけているようだ。運動も日課で、朝の散歩や、ジムでのトレーニング、プールなどを習慣にしていると言われている。

特にどの習慣が、荒木さんの若さの秘訣に繋がっているかは定かではないが、食事と言い、睡眠と言い、ストレス管理と言い、通して見られる抑制的で健康的な生活スタイルが、長きに渡る第一線での活躍や若々しさの源になっているのかもしれない。