スポーツ選手・表現者の食生活から学ぶ

実践者から学ぶために、それぞれの分野のトップで活躍するスポーツ選手・表現者の食生活に関する情報・名言をまとめた“ノート”です。

キーワード: 菜食寄り

モデルで、日本人の母とバングラデシュ人の父を持つローラさん。若い頃からのモデルやテレビの仕事で疲弊し、心がすり減ってしまったローラさんは、一時アメリカに移住。その時期、それまで以上に運動や食事など健康を意識するようになったと語る。「ロサンゼルスでは、仕事の前後に運動をする人が多いんです。私は日本にいた頃、ずっとお仕事をする生活だったのですが、今はもっと〈運動して体を見つめてあげよう〉〈食に時間をかけよう〉と思うことが増えました。」

また、断捨離なども進めるうちに、自分が本当に好きなものが見えてきたり、自身のルーツについても深く考えるようになったという。日本に帰国後、母方のルーツである新潟で、無農薬の米づくりや雑穀栽培など農業を行う。自然豊かな環境で、昔ながらの裸足での田植え姿も話題になっている。

食生活については、過去のインタビューによれば、一日三食にはこだわらず、お腹が空いていないときには食べないで、腹七分を心がけ、二食だったり、一食半だったりと、体の声に耳を傾けた量にしているようだ。この食生活に変えてから、眠気や集中力が出ないということがなくなったという。

小腹が空いたときは、アーモンドやダークチョコレート、トランス脂肪酸が入っていないおやつなどを食べる。もともとは植物性のものが中心で、魚料理も少しだけ食べる。たとえば、ある日の食事のメニューは、玄米、魚の煮付け、味噌汁、冷ややっこなど。いわゆるヴィーガンではなく、魚介類も取り入れた「ペスカタリアン」だった。

ただ、数年間の肉を食べない生活を送ったローラさんは、その後、肉を絶対に食べないという考えからは少し離れ、育て方や環境に配慮された畜産のものを感謝していただくという形に変えたという。そして、「食べるのならば自分で行い、命のありがたみや責任を感じたい」と、実際に鶏の解体なども行っている。また、味噌や塩麹など、発酵食品も手作りし、趣のある木造の発酵食を保管する「発酵ルーム」もある。その他、茶道も始めるなど、SNSなどを通じ、自然の大切さや日本文化、食料自給率の問題の発信を行っている。

午後5時には就寝し、夜11時には一日が始まるなど、ヨガを取り入れた驚きの摂生生活で知られるタレント・芸人・俳優とマルチに活躍する片岡鶴太郎さん。こういった生活を始める以前は、お酒も飲み、直情的でもあったものの、57歳の頃、哲学や人生の礎となる重たいものを探していた鶴太郎さんは、ヨガに出会う。このヨガとの出会いによって、精神面における考え方についての変化があったという。「ヨガは古代インド哲学に基づいている。実際に接してその深さや人類の英知に触れた気がして震えるほど感動しました。宇宙の原理であり、自然崇拝。ひと言では言えないほど深いものです。よくヨガのポーズをやっている姿を見かけますが、大切なのは肉体的なことよりも精神的なことです。」と鶴太郎さんは語る。

鶴太郎さんの食事は、一日一食。夜11時に起きたあと、朝5時までヨガをし、朝5時半から、じっくり大切に2時間半かけて食べ、その後に仕事、というスケジュール。ある朝ごはんのメニューは、玄米、野菜の味噌汁、玉ねぎの酢漬け、なめ茸、自家製アボガドとひよこ豆のサラダ、黒豆、人参ときゅうりの漬物、甘酒シナモン、たっぷりの季節のフルーツ。一日一食ということもあり、玄米菜食でありながらも種類が豊かで、この朝食を、旬の果物から、豆類、野菜の料理と、順番も大切にしながら丁寧に食していく。朝食以降、間食も一切なし。飲み物は白湯のみ。

肉や魚は、普段は摂っていないものの、外食や食べたいときには食べているという。ただ、ドラマの台詞覚えなど、頭を使う仕事の際は、いっそう消化にエネルギーを持っていかれることを避けるためにも精進料理のようなものが中心になるそうだ。お酒については自然に飲めなくなったという。この食生活も、体の声を聞きながら判断していったので、無理やりストイックに行なっているという感覚はなく、寝る前にはお腹も空いているものの、その空腹感が心地いいと語っている。

美容や健康への意識が高いことでも知られる、お笑い芸人の小籔千豊さんのモットーは「医食同源」(医食は源が同じで、健康において食事をよいものにしていくことが予防に繋がる、という考え方)。インタビューやYouTubeなどでも健康について語っているほか、『小籔ヘルシー教』というオンラインサロンも行っている。

小籔さんは、普段から肉を食べない食生活で、そのルーツは、祖父の健康観にある。小藪さんのおじいさんはマクロビを実践した診療所のようなものを開いていた人だったそうで、家庭での食生活も、玄米や黒砂糖、水も一日1.8リットル飲むといった習慣があり、牛豚鶏など肉も一切食べる機会がなかったという。

ただ、この「肉を食べない食生活」は、あくまで子供の頃からの食習慣がもとで、健康法といったことから行っているものではなく、実際に食べようとしても味が受け付けないようだ。ちなみに、ヴィーガンやベジタリアンではなく、卵も魚介類も食べることから、(本人は意識してそうしようと思っているわけではないものの)厳密に言うと「ペスカタリアン」に分類されるという。

健康食品にも詳しく、愛好している自然由来の健康食品として、しょうが粉や米麹のパウダー、モリンガの粉末、サンゴの粉、琉球ヨモギ粒、まいたけ凝縮サプリ、他にビタミンのサプリなどの名前を挙げている。また、食物繊維を摂取したいときに簡単に食べられるおすすめの食品として、西田精麦の「スーパー大麦 そのまま食べられる バーリーマックスフレーク」を挙げ、「Uberで定食とか寿司とか頼んで、赤だし頼んだときに、これをパラパラって入れます」と話す。また、たんぱく質がほしいときは、マルヤナギ小倉屋の「蒸し豆 (蒸しサラダ豆)」と「蒸し黒豆」を食べるほか、食物繊維の観点から、なめこもよく食べているようだ。

長きに渡って文学の世界で活躍を続ける小説家の村上春樹さんは、健康を重視している。村上さんの朝は早い。午前4時に起床し、執筆も午前中のうちに行う。もっと書けそうでも、無理はしない。昼からは、ランニングをしたり泳いだりと運動のほか、軽い昼寝、読書や音楽など趣味の時間を過ごし、夜は9時頃に眠りにつく。こういった生活のルーティンのなかで小説を執筆する。

走り始めたのは専業の小説家になった30代の頃で、心の闇に触れる小説家という職業柄からもエッセイなどで健康の重要性については繰り返し語り、「真に不健康なものを扱うためには、人はできるだけ健康でなくてはならない」というテーゼを大事にしている。

また、小説のなかでしばしば「食事」が重んじられているように、作家自身の日々の食生活もしっかりしている。食事の内容は野菜と魚が中心で、肉もときどきは食べる。主食は酵素玄米で、調味料は自然の素材のものを使う。量は腹七分ほどにとどめ、眠る3時間前からは食べない。酒は飲むものの、量は控えめだという。

腸を整えることに関心が深く、「腸活」の啓蒙に励んでいる俳優の窪塚洋介さん。若い頃は特に気にしていなかったものの、年齢とともに身体の衰えを感じ、なにか健康に対する対策をと考えていた折に、千葉の老舗酒造「寺田本家」の23代目・寺田啓佐氏の本『発酵道』と出会い、発酵や微生物、腸の世界に入っていく。窪塚さんは、この発酵という自然の繊細な世界に触れ、また腸の専門家である藤田紘一郎さんらの本も読んでいくなかで、男女や国、好きな音楽の種類を問わず、腸活は、誰にとっても大切なことなんだ、と確信を深める。

窪塚さんが食生活で大事にしているものの一つは食材。自然農法で作られた豆・ごま・わかめ・野菜・魚・しいたけ・芋・納豆など発酵食品の「マゴワヤサシイナ(孫は優しいな)」の食材を選び、外食の際には、なるべく自然食のお店を選択する。ただ、絶対にこうしないといけない、と自分を縛るとストレスになるので、人付き合いも含めて柔軟に対応しているという。一日はおよそ一食半。朝はヨーグルトやナッツ、ヘンプシード、酵素の入ったジュースなど軽いもの(0.25食)にとどめる。昼は好きなものを食べ、夜もまた軽めに抑える(0.25食)。

食材以外で、窪塚さんが特に大事にしていることとして、「夜眠る3時間前は、身体も心も休めるために食事をしない」ということがある。窪塚さんにとっての腸活の最初も、この「夜遅くは食べない」からスタートしている。意識だけは眠らせ、内臓は働かせている、ということがないように、ちゃんと体も休ませてあげる。こうすると眠りも深く、翌朝の体の軽さや頭のすっきりが全く違ったそうだ。空腹の時間を体に与えることで体内の細胞が若返るという話もあり、窪塚さんはこの「空腹」の時間を大切にしている。