スポーツ選手・表現者の食生活から学ぶ

実践者から学ぶために、それぞれの分野のトップで活躍するスポーツ選手・表現者の食生活に関する情報・名言をまとめた“ノート”です。

分野グループ: タレント・芸人

午後5時には就寝し、夜11時には一日が始まるなど、ヨガを取り入れた驚きの摂生生活で知られるタレント・芸人・俳優とマルチに活躍する片岡鶴太郎さん。こういった生活を始める以前は、お酒も飲み、直情的でもあったものの、57歳の頃、哲学や人生の礎となる重たいものを探していた鶴太郎さんは、ヨガに出会う。このヨガとの出会いによって、精神面における考え方についての変化があったという。「ヨガは古代インド哲学に基づいている。実際に接してその深さや人類の英知に触れた気がして震えるほど感動しました。宇宙の原理であり、自然崇拝。ひと言では言えないほど深いものです。よくヨガのポーズをやっている姿を見かけますが、大切なのは肉体的なことよりも精神的なことです。」と鶴太郎さんは語る。

鶴太郎さんの食事は、一日一食。夜11時に起きたあと、朝5時までヨガをし、朝5時半から、じっくり大切に2時間半かけて食べ、その後に仕事、というスケジュール。ある朝ごはんのメニューは、玄米、野菜の味噌汁、玉ねぎの酢漬け、なめ茸、自家製アボガドとひよこ豆のサラダ、黒豆、人参ときゅうりの漬物、甘酒シナモン、たっぷりの季節のフルーツ。一日一食ということもあり、玄米菜食でありながらも種類が豊かで、この朝食を、旬の果物から、豆類、野菜の料理と、順番も大切にしながら丁寧に食していく。朝食以降、間食も一切なし。飲み物は白湯のみ。

肉や魚は、普段は摂っていないものの、外食や食べたいときには食べているという。ただ、ドラマの台詞覚えなど、頭を使う仕事の際は、いっそう消化にエネルギーを持っていかれることを避けるためにも精進料理のようなものが中心になるそうだ。お酒については自然に飲めなくなったという。この食生活も、体の声を聞きながら判断していったので、無理やりストイックに行なっているという感覚はなく、寝る前にはお腹も空いているものの、その空腹感が心地いいと語っている。

年齢は一つの目安でしかない、と語り、体の動きや、見た目に関していつまでも若いことでも注目を集める歌手の郷ひろみさん。

好き嫌いなく魚も肉も野菜も食べるが、量は抑える。よく噛んで、腹六分から七分程度。量より質にこだわり、噛む回数は30回以上を守っている。朝ごはんは軽く、また夜遅くには食べないことを心がけている。理想としては、夕方5時くらいには食べ始め、トレーニングなどがあって遅くなっても7時から8時くらいまでには食事を終える。コンサートが終わった後も、何も食べないという。飲酒ももうずいぶん前にやめている。

腹六、七分程度の少食であったり、夜遅くに食べないといったことに加え、「よく眠る」ということも大事にしている。試行錯誤の結果、夜10時には眠り、朝6時に起きると調子がいいという。この「食事は遅くにせず、早い時間に眠る」ということが、長く活躍するための若さの秘訣だと郷さん自身も過去にインタビューで触れている。

運動は週に3回、ジムでのトレーニングを行なっている。運動の習慣については、「郷ひろみ」を維持するために、ということでもなく、単純に体を動かすことが好きだからという理由のようで、ゴルフに行くときもカートを使わず歩くという。運動は、続けることが大事で、こんなに軽くていいのか、というくらい目標値を下げておくといいと語っている「続けるのってむずかしいですよね。だから、続けるためには最初から目標設定を下げておくことです。最初は誰でも「よしやるぞ」って情熱があるけど、その情熱が冷めていくのは当たり前で、その冷めたところを最初から目標設定にしておく。「こんなに軽くていいの?」というくらいでも、続けていけば力になるんです。」

郷さんの公式インスタでは、ボクトレという短い時間でできるトレーニングも発信している。

美容や健康への意識が高いことでも知られる、お笑い芸人の小籔千豊さんのモットーは「医食同源」(医食は源が同じで、健康において食事をよいものにしていくことが予防に繋がる、という考え方)。インタビューやYouTubeなどでも健康について語っているほか、『小籔ヘルシー教』というオンラインサロンも行っている。

小籔さんは、普段から肉を食べない食生活で、そのルーツは、祖父の健康観にある。小藪さんのおじいさんはマクロビを実践した診療所のようなものを開いていた人だったそうで、家庭での食生活も、玄米や黒砂糖、水も一日1.8リットル飲むといった習慣があり、牛豚鶏など肉も一切食べる機会がなかったという。

ただ、この「肉を食べない食生活」は、あくまで子供の頃からの食習慣がもとで、健康法といったことから行っているものではなく、実際に食べようとしても味が受け付けないようだ。ちなみに、ヴィーガンやベジタリアンではなく、卵も魚介類も食べることから、(本人は意識してそうしようと思っているわけではないものの)厳密に言うと「ペスカタリアン」に分類されるという。

健康食品にも詳しく、愛好している自然由来の健康食品として、しょうが粉や米麹のパウダー、モリンガの粉末、サンゴの粉、琉球ヨモギ粒、まいたけ凝縮サプリ、他にビタミンのサプリなどの名前を挙げている。また、食物繊維を摂取したいときに簡単に食べられるおすすめの食品として、西田精麦の「スーパー大麦 そのまま食べられる バーリーマックスフレーク」を挙げ、「Uberで定食とか寿司とか頼んで、赤だし頼んだときに、これをパラパラって入れます」と話す。また、たんぱく質がほしいときは、マルヤナギ小倉屋の「蒸し豆 (蒸しサラダ豆)」と「蒸し黒豆」を食べるほか、食物繊維の観点から、なめこもよく食べているようだ。

長年活躍し、2014年に最終回を迎えた『笑っていいとも』や、『ミュージックステーション』の司会でもお馴染みのタモリさん。タモリさんの食事は、同じ芸人さんでもある明石家さんまさんと同じく、一日一食半の少食スタイル(さんまさんの場合は回数よりも量=腹六分)。サラダかおひたしのような野菜ものと、煮たり焼いたり蒸したりした魚料理、それと少量のご飯とみそ汁、といった簡素なメニューだという。ある程度空腹のほうが調子がよく、「お腹いっぱい食べると気持ち悪いですよ。少食は良いと思います」「なるべく固形物が胃に入らない時間を長くしたほうがいい」と語っている。

食事のほかに実践している健康法として、運動は散歩を行なっているという。その際、足を少し高く上げたり坂道を登るといった多少の負荷を心がけている。ストイックに追い込むというよりも、あまり無理なくまずは「続ける」ことを重視している。また、体を石鹸やボディソープで洗わず、湯船に浸かるだけで済ませる入浴法も続けている。これはのちに「タモリ式入浴法」と呼ばれ、他に芸能人でも福山雅治さんやローラさん、窪塚洋介さんなども実践しているようだ。実際、洗いすぎによって本来なら皮膚を守る常在菌まで落としてしまうという弊害もあると言われる。現在では、石鹸やシャンプーを使って洗いすぎることのデメリットもしばしば取り上げられ、あまり「洗わない」ということの重要性も語られるようになっている。

芸人界のレジェンドで、いつまでも元気にフル稼働な明石家さんまさん。元気の源として考えられるのが、普段の食事。食事といっても内容以上に量についての意識が高く、少食を心がけている。腹八分、ときには六分ほどでやめるという。これまで満腹だと言ったことがないそうで、眠くなって思考が鈍り、動きにくくなるから、というのが、満腹まで食べない理由だと後輩芸人に語っている。

食生活でよく口にするものとしては、赤ワイン、発酵食品、いわしを挙げている。また、さんまさんは病気知らずの健康体で、そもそも病院には行かない、あるいは健康診断を受けないことでも知られる。さんまさんの病院に行かない、健康診断を受けない、という考え方については、医師の和田秀樹さんも以前YouTubeで取り上げ、決して悪いことではなく、「さんまさんはこれを続けてほしい」と指摘している(『ヒデキとモリヨのお悩み相談「明石家さんまさんの健康法」』)。

精神面においてポジティブさを維持する秘訣としては、自分自身に期待しない、ということを挙げている。自分を過大評価しない。過大評価するから、「自分はもっとできたはず」とそのギャップに落ち込んでしまうのであって、自分はこんなものだと思っていたら、自分にとっては今日できたことが全て、とあるがままを受け入れられる。さんまさんのイメージからすると、腹六分の食事だったり、過大評価しないというのは、ちょっと意外にも映る。しかし、この姿勢が、長年の活躍を生んでいるのかもしれない。