土井善晴 一汁一菜、味噌汁が健康の要
ご飯は一汁一菜でよい、と提案している料理研究家の土井善晴さん(1957年生まれ、大阪府出身)。
一汁一菜とは、主食のご飯に加え、お味噌汁、あとは漬物などの一品を指す、伝統的な和食のスタイルです。
料理と言うと、準備や工夫が大変でハードルが高いもの。一汁三菜や一日三十品目などと言われると、いよいよ料理が遠のいてしまうかもしれません。
しかし土井さんは、日常の食事は「肩肘張ったごちそう」ではなく、「安心できる、ふつうにおいしいもの」でじゅうぶんだと語ります。
「味噌汁は健康の要」
ご飯を炊き、あとはお味噌汁と、季節のものが少しあればいい。この「これくらいでじゅうぶん」という提案は、決して「手抜き」ではなく、健康的で自然の豊かさを感じさせる食のスタイルです。
一汁一菜は、東アジアの島々にあった土着の文化と、大陸からもたらされた稲作文化が習合して生まれた食事の形です。昔から食べていた一汁一菜は、ご飯(雑穀)、みそ汁、漬物(最小単位としてのおかず)です。毎日繰り返しても食べ飽きるなんてことがないのは、汁飯香のおいしさは自然からのものだからです。
自然と人間(体内の自然)が重なり溶け合うような心地よい感覚です。こうしたものをいただいた後、人は思わず「身体がきれいになったような気がする」と言うのです。ご飯は水加減して炊いただけ。みそや漬物は有用菌である微生物のおかげです。一汁一菜のすべてが自然の摂理にあるのです。
味噌汁だけの場合なら、具沢山にして、それだけでも発酵食品の味噌と、野菜がたくさん食べられます。
味噌汁というのは、「日本人の健康の要」だと土井さんは言います。
画像 : 一汁一菜でよいという提案 「もう お料理で苦しむ必要はありません」
味噌汁は、塩分が気になる、という人もいるかもしれませんが、味噌汁の塩分は気にする必要がないと専門家は言います。
広島大学の渡邊敦光名誉教授によると、味噌汁の塩分は全く気にする必要がないそうです。味噌が持つ機能性成分が、ナトリウムを体外に排出する上、血管年齢を若くし、血圧の上昇を抑える効果があるからだと。
料理が苦手、献立を考える余裕がない、そういった事情から結局料理が遠のいてしまうよりも、ご飯とお味噌汁だけでもいい、むしろそれは豊かなことなのだと思いながら、無理なく自分で「作る」ということを習慣にする。
その食事によって、感性や健康、自然との繋がりなどが育まれていきます。
「一日二食でじゅうぶんです」
また、一日の食事の回数についても、「一日三食」というのは戦後暮らしが豊かになるまで庶民はしていませんでした。
だから、若い人なら一日三食ちゃんとというのも食べられるかもしれませんが、「三食ちゃんとなんて私らもういりません。一日二食でじゅうぶんです。一食にしっかりしたおかずがあれば、もう一食は冷やご飯に梅干しとお味噌汁でいいわ。」と土井さんは言います。
体調面に対する「少食」の効果も言われていますが、味噌の健康効果に加え、一汁一菜や、三食にこだわらないことによって、そこまで食べすぎないということも健康面における利点と言えるかもしれません。
悩んだら、ひとまずご飯と具沢山のお味噌汁でよい、と思っているだけでも安心できるのではないでしょうか。
参考 :「一汁一菜」の「汁」は味噌汁限定! “医者殺し”と謳われた味噌の効能【江戸庶民の食の知恵】、女優やアスリートらが「1日3食」をやめて実感した美容や健康の効果とは?、一汁一菜でよいという提案 「もう お料理で苦しむ必要はありません」
